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レンガ計算 — 個数、モルタル、横目地

壁の面積からレンガの個数、モルタル量、段数を計算します。米国のモジュラーで 10 × 3 m、開口部 6 m²、2列なら注文 3662個。横目地は 3/8″ ではなく 5/12″ です。

レンガの個数は呼び寸法の面モジュールから割り切れる算数ですが、モルタルはそうではありません。そして段を閉じる横目地は、サイズの横に書かれた目地寸法ではありません。このページはその三つを並べて示し、業界自身の積算表の中で数字が食い違う箇所も書いておきます。数値はすべて米国の資料(BIA ほか)のもので、日本の JIS と JASS はこのページのために読んでいません。組積造の塀の規定(建築基準法施行令第61条)はこのページの表と注に引いています。

早見表:組積造の塀の厚さと控壁(建築基準法施行令第61条)

塀の高さ根元で要る壁の厚さ控壁の突出控壁なしにできる厚さ
0.6 m6 cm9 cm9 cm
0.9 m9 cm13.5 cm13.5 cm
1.2 m12 cm18 cm18 cm

塀の高さは 1.2 m 以下、控壁は長さ 4 m 以下ごと(木造は不可)、基礎の根入れは 20 cm 以上です。このページの計算機はレンガの個数を数えるだけで、この規定では判定していません。

横目地 縦目地 — — —
破線の長方形が面モジュール、つまりレンガ1個が壁の中で占める範囲で、個数の計算はこの数字の上に立っています。 実線の長方形が実際に届くレンガです。網掛けの2本の帯が目地で、ほかと同じ縮尺で描いています。
——
壁の正味面積—
レンガのサイズ · 呼び寸法 / 指定寸法—
面モジュール → 単位面積あたりの個数—
段数—
段割りが求める横目地—
レンガ · 正味、そして注文数—
モルタル (m³)—
中間目地—
積み方の補正—
公表された BIA 表4との比較—

レンガ1列で積める高さは限られます。 施行令第61条は、組積造の塀の各部分の壁の厚さを、その部分から壁頂までの垂直距離の 1/10 以上とします。一様な厚さの塀なら根元で決まり、高さ 1.2 m の塀は 12 cm が要ります。このページの選択肢で言えば、米国のモジュラー(指定寸法の厚さ 92 mm)1列は高さ約 0.92 m まで、メートル系モジュラー(90 mm)1列は 0.9 m までです。2列にして間に 3/8″ の目地を取れば約 19.4 cm で、1.2 m の塀でも控壁なしにできる 18 cm を超えます。

控壁は厚さの 1.5 倍、間隔は 4 m です。 厚さが足りるだけの塀には、長さ 4 m 以下ごとに、壁面からその部分の壁の厚さの 1.5 倍以上突き出た控壁が要ります(木造の控壁は不可)。壁の厚さが前の規定の 1.5 倍以上あれば控壁は要りません。基礎の根入れは 20 cm 以上です。補強コンクリートブロック造の塀は別の条(第62条の8)で、高さの上限も2.2 m と違います。このページは条文を引用しているだけで、塀の安全性の判断はしません。

サイズ、段割り、数量:Brick Industry Association(米国レンガ工業会、BIA)の Technical Notes 10, Dimensioning and Estimating Brick Masonry, 2009年2月。 表1がモジュラーのサイズ、指定寸法、縦の段割り、表2がノンモジュラーのサイズ、 表4が公表されたレンガとモルタルの数量、表5が中間目地(3/8″ の目地で 100 sq ft あたり 3.13 ft³、 1/2″ で 4.17)、表6が積み方の補正係数です。ロスの目安はレンガに “at least 5 percent”(5% 以上)、モルタルに “add 15 to 25 percent”(15〜25% を加える)です。 gobrick.com.

横目地。BIA 表1の脚注3は、3/8″ と 1/2″ の数字は “common joint sizes used with length and width dimensions”(長さと幅の寸法に使われる一般的な目地寸法)であり、 “actual bed joint thicknesses vary based on vertical coursing and actual brick height”(実際の横目地の厚さは縦の段割りと実際のレンガの高さで変わる)と書いています。 モジュラーのレンガでは縦のモジュールが決めます。3段が 8″ なので、横目地は (8 − 3 × 2-1/4) ÷ 3 = 5/12″、約 10.6 mm です。CMHA(旧 NCMA)TEK 05-12 Modular Layout of Concrete Masonry も同じ 5/12″ の横目地を示し、目地の許容差の内側だとしています。 7/16″ ではありません。それは最も近い 1/16 に丸めた値で、3段ごとに壁が 1/16″ ずつ伸びます。 TMS 602 Specification for Masonry Structures は横目地に ±1/8″ を許すので、 5/12″ の狙いも 3/8″ の指示もどちらも検査を通ります。実際にどちらになったかは段割りを見なければ分かりません。

6.86 ではなく 6.75。呼びの面は 8″ × 2-2/3″ = 21.33 in² なので、 144 ÷ 21.33 = 6.75 個/ft² です。これは BIA 表4が 100 sq ft あたり 675 と印刷している値そのものです。 出回っている 6.86 は 144 ÷ (8 × 2-5/8)、つまりまた 3/8″ の横目地です。あるメーカーの一般向けパンフレットにまで 出てきますが、同じメーカーの技術資料は 6.75 としています。1,000 sq ft の壁なら差は 107個です。

寸法許容差:ASTM C216 Standard Specification for Facing Brick の表3 列A。Type FBS は 指定寸法から、3″ までは ±3/32″、3〜4″ は ±1/8″、4〜6″ は ±3/16″、6〜8″ は ±1/4″、 8〜12″ は ±5/16″、12〜16″ は ±3/8″ ずれてよいとされています。Type FBX はもっと厳しい値です。 C216 の注12はモジュラーのサイズの一覧として ASTM E835/E835M を指し、サイズを表すレンガの名前は地域によって違うと注意しています。

メートル系のサイズ:メートル系モジュラー 190 × 90 × 57 mm、3段で 200 mm は Brampton Brick の メートル系モジュラー段割り表から、英国標準形 215 × 102.5 × 65 mm、目地 10 mm(モジュール 225 × 75 mm、4段で 300 mm)は Brick Development Association(英国レンガ開発協会)の形式です。どちらも BIA 表4にはないので、ここでの数量は上の幾何だけから出しています。 TN 10 は1ページ目で、メートル法の工事のレンガは 100 mm のモジュールで動くこと、そして TN 10 自身のインチからミリへの換算値を メートル系モジュラーの仕事に持ち込まないことを警告しています。

表にないもの:職人はよく、モジュラーレンガ 1000個にメーソンリーセメント8袋と言います。 BIA はその目安を載せていますが、すぐ次の文でそれを、量の分からないロスを含んだ非常に粗い見積もりだと呼んでいるので、ここでは使いません。 緊結金物、水切り、水抜き、まぐさ、窓台、補強筋、掃除口も入っていません。モルタルの数量は、穴あき率 25% までの中実ユニットに 横目地を全面に敷く前提です。フェイスシェルだけにモルタルを敷く中空ユニットでは、おおよそ 25〜35% 少なくなります。 なお、このページの数値はすべて米国の資料と、メートル系の2形式については Brampton Brick と Brick Development Association の資料のものです。 日本のレンガの規格(JIS)と JASS はこのページのために読んでおらず、計算にも判定にも使っていません。施行令第61条は表と注に引用しただけで、判定には使っていません。

計算例

長さ 10 m、高さ 3 m の壁に開口部が 6 m² あります。米国のモジュラー(Modular)レンガ(呼び 4 × 2-2/3 × 8 インチ)を2列で積むと、何個要りますか。

  1. 正味の壁面積は 10 × 3 − 6 = 24 m²。面モジュールは 203.2 × 67.7 mm で、1 m² あたり 72.66個です。
  2. 24 × 72.66 × 2列 = 3488個(正味)。ロス 5% を足して切り上げ、注文は 3662個です。
  3. 横目地は 3/8″(9.5 mm)ではなく、3段で 8″ を閉じる 5/12″(10.6 mm)です。2列の間の中間目地のモルタルは BIA 表5から 229 L です。

注文 3662個。BIA 表4は 100 ft² あたり 675個とモルタル 8.1 ft³(1000個あたり)を載せていますが、その個数が表す壁の幾何では 8.76 ft³ になり、このページはそちらを使います。数値はすべて米国の資料のもので、日本の JIS と JASS は読んでいません。

このページの 12 個の計算値は2026年10月29日に実際のブラウザで実行し、別に算出した期待値と一つずつ突き合わせています(サイト全体で 2,808 値、228 個の計算機)。

よくある質問

1 m² のレンガ壁に何個要りますか。

サイズと目地で決まります。メートル系モジュラー 190 × 90 × 57 mm、目地 10 mm なら面モジュールは 200 × 66.7 mm で 1 m² あたり 75個、米国のモジュラーなら 72.66個です(1列、ロスなし)。ロスとして BIA は最低 5% を挙げています。

横目地はなぜ 3/8″(9.5 mm)ではないのですか。

BIA TN 10 表1の脚注3によれば、3/8″ や 1/2″ は長さと幅の寸法に使う目地寸法で、横目地の厚さは縦の段割りと実際のレンガの高さで変わります。米国のモジュラーは3段で 8″ なので、横目地は (8 − 3 × 2-1/4) ÷ 3 = 5/12″、約 10.6 mm です。

日本のレンガや基準でも使えますか。

このページの選択肢は米国の BIA のサイズと、メートル系モジュラー、英国標準形だけです。数値はすべて米国などの資料のもので、日本の JIS と JASS は読んでいません。レンガの塀の高さ・厚さ・控壁・根入れは建築基準法施行令第61条にあり、このページの表に引いています。日本の工事では設計図書と仕様書に従ってください。

レンガの塀は何 m まで積めますか?

組積造の塀は高さ 1.2 m 以下です(建築基準法施行令第61条)。壁の厚さは各部分で壁頂までの高さの 1/10 以上なので、1.2 m の塀は根元で 12 cm 要り、長さ 4 m 以下ごとに厚さの 1.5 倍以上突き出た控壁を設けます(厚さが 18 cm 以上あれば不要)。基礎の根入れは 20 cm 以上です。